がんと付き合うために

がんの予防

遺伝子に基づく予防

癌を予防することは、個人的にも社会的にも非常に重要なことです。良い生活習慣を実行していても癌になってしまう人もいますし、実行していなくても癌にならない人もいます。 それらは遺伝的素因が考えられています。

血縁者に癌発症者がいるといないとでは発症率は2倍から5倍も高くなるのです。他の人より病気にかかりやすいという場合は遺伝子多型と言い、癌家系の場合は癌遺伝子と言います。しかし、癌遺伝子の場合でも必ず癌を発症すると言うことではないのです。予防する方法があるのです。

癌遺伝子は、浸透率(癌になりやすさを表す率)が高めです。家族性の乳癌や大腸癌では、癌遺伝子が見つかっており、その遺伝子の保有者への癌予防方法の研究が続いています。 遺伝子多型の例には、血液型やアルコール分解酵素があります。お酒の全然飲めない人は、両親からアルコールの分解能力の低い酵素を遺伝した人です。

遺伝子多型は色々な酵素に見られており、病気との関連について調査、研究が行われています。癌に関しては、ある酵素はタバコの煙中にある発癌性物質を活性化させ、DNAを傷付きやすくします。しかし、ある酵素は活性化された発癌性物質を解毒し、DNAを保護します。

これらの代謝には色々な酵素が関与していますが、癌細胞を異物と判断して排除することに免疫が関与していることもわかってきています。酵素の働きや免疫力の強弱には個人個人の栄養状態や遺伝体質が関係していると考えられています。 そして、様々な研究により癌を発症しやすい体質が解明されてくれば、その遺伝子多型を保有した人に積極的な予防方法を働きかけることができるようになるのです。