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日本で癌と言えば「胃癌」のことでした。しかし、昨今では胃癌死亡者は減少しています。これは、早期発見により治癒率が向上しているためです。胃癌のリスク要因とされている項目は、ピロリ菌や慢性胃炎、高塩分や野菜不足の食習慣、そして喫煙などが挙げられます。ピロリ菌は半数の人が保菌者だと考えられています。

胃酸の中では菌は生息できないとされていますが、ピロリ菌は胃酸を中和することができるので生息可能です。この菌が胃粘膜を傷つける要因は解明されていませんが、菌自体が出す毒素やアンモニアと、菌を退治するための好中球が出す活性酸素などによる複合的な作用が考えられています。

また、塩分は発癌性物質ではありませんが、高濃度塩分によって胃粘膜が傷つけられ、そこに発癌性物質が関与し、発癌するものと考えられています。塩蔵習慣のある日本人に胃癌が多かった理由でもあります。タバコやアルコールも、同様に胃粘膜を傷つける要因とされています。

次に、食道はのどと胃をつなぐ管状の臓器で、食べ物が通りやすいように内側が粘膜で覆われています。食道癌は、こん粘膜の表面にある上皮から発生します。日本では食道癌の90%以上が扁平上皮癌ですが、欧米では腺癌という癌が増加しており、胃の近くの食道下部に発生します。日本でも生活習慣の欧米化により、今後腺癌が増えることが予想されます。

食道癌にかかる人の傾向は40歳代後半に増加し始めます。女性よりも男性に多く見られます。喫煙や大量の飲酒が要因になることは明らかなようです。また、熱い飲食物がリスクを高めているという研究結果も多く報告されています。そして、大腸癌は、長さ約2mの大腸(結腸、直腸、肛門)に発生する癌で、日本人ではS状結腸と直腸が癌の発生しやすい部位です。大腸の粘膜の表面から発生した癌は、大腸の壁に次第に深く進入し、進行するにつれてリンパ節や肝臓、肺等に転移します。